根抵当権は、そのほとんどが抵当権と変わりありません。
自己が所有する、又は、第三者が所有する不動産に対して、この根抵当権設定登記がされることで、もし返済不能になった場合に、競売にかけられて、その代金から残りの融資金額の弁済に充てられます。
結果、返済不能は、その不動産の所有権を失うことになるということです。
最大の特徴、違いとして、抵当権がある日、ある融資の債権のみを担保するのに対して、根抵当権は担保される債権が特定されていません。
まず、説明に当たって、抵当権を普通抵当権と呼ぶことにし、根抵当権との表記上の差異をはっきりさせておきます。実務上でも、普通抵当という言葉が用いられることがあります。
抵当権設定が登記されると、登記簿には、「平成20年10月10日金銭消費貸借同日設定」といったような表記がされます。
これは、平成20年10月10日に発生した融資に対して、同じ日に、抵当権の設定がなされた、ということを登記簿により公示しています。
ところが、根抵当権は、このようないつの債権であるか、いつの融資であるかが表記されません。
根抵当権の場合は、「平成20年10月10日設定」と、いつ設定されたかしか表記されません。
その代わり、債権の範囲というものが表記されます。これには、銀行取引や売買取引など、何度も繰り返し発生する債権債務を表しています。
金融機関と法人・会社は、一度限りの融資だけでなく、その後も何度も融資と弁済を繰り返すことが多くなります。その際に普通抵当権だと、融資実行をする度に新たな普通抵当権設定登記が必要になってきます。それでは手間も費用もかかってしまいます。その場合に、根抵当権が有効活用されます。
繰り返し融資と弁済が繰り返されはしますが、最大いくらまでその不動産で担保できるかを決めておかないといけません。それを極度額といいます。
もし、返済不能になり競売になった場合に、極度額いっぱいまで、優先的に代金を回収することが可能となります。
法人・会社以外の個人では、カードローンで根抵当権が設定登記されることがあります。カードローンは、一定額まで、個人が何度もお金を借り受けることが一般的だからです。
融資を受ける側からすると、普通抵当権と根抵当権では特に大きな差はありません。
ただ、普通抵当権が、借りた金額とその利息を支払えば、絶対的に普通抵当権も消滅しますが、根抵当権の場合、元本確定登記がされていないと、弁済が終わっていても、根抵当権は外れず、解除、放棄等による抹消登記をしない限り存続する特徴があります。
経営上何度も融資と弁済を繰り返す可能性があるのなら根抵当権のほうが、その度の手間と登記費用も節約できていいでしょうが、そうでない、1回限りの融資であり、次がある可能性があっても、他社で融資を受けるかもしれない、というのなら、普通抵当権で何の問題もないものでしょう。
弁済=根抵当権が消えてなくなるわけではありません。金融会社はこっちのほうが都合がいいので薦めるかもしれませんが、特に繰り返しの融資がないのなら、普通抵当権を選択するのがベストでしょう。
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